菌状息肉症・セザリー症候群に代表される原発性皮膚リンパ腫は,診断時に皮膚以外の臓器に病変を認めない悪性リンパ腫である。一般的に数年以上かけて緩徐に進行するが,進行しない症例も存在する。わが国における皮膚悪性リンパ腫の1年間の新規発症は約400例と非常に少なく,高齢者が多い。
皮膚に落屑性紅斑,浸潤局面,腫瘤を生じたり,紅皮症を呈したりする。進行すると表在リンパ節の腫脹や発熱などを伴う。
血清LDH値,血清可溶性IL-2受容体値の上昇などを認める。末梢血白血球の増加や異型リンパ球を認めることもある。
皮膚悪性リンパ腫の経過,治療への反応性は個人差が大きい。それぞれの患者に対応したオーダーメードの治療が望ましい。
若年発症で病期が進んでいる場合,造血幹細胞移植を検討するタイミングを逃さないようにする。高齢者であれば,病気の進行を防ぐことが主たる目標となる。皮膚病変を完全に消すために,不必要に強力な治療をしてはいけない。進行期で移植が難しい場合,合併症やQOLを考慮した治療を行う。
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