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ラグビーにおける肩外傷の最近のトピックスについて

No.5136 (2022年10月01日発行) P.50

菅谷啓之 (東京スポーツ&整形外科クリニック院長)

川崎隆之 (順天堂大学医学部附属病院 整形外科・スポーツ診療科准教授)

登録日: 2022-09-28

最終更新日: 2022-09-27

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  • 最近のラグビー外傷のうち,外傷性不安定症,関節唇損傷,肩鎖関節損傷,大胸筋断裂など,肩に関するものの対応法について,順天堂大学・川崎隆之先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    菅谷啓之 東京スポーツ&整形外科クリニック院長


    【回答】

     【早期復帰かつ再受傷回避をめざして治療方法を選択する難しさがある】

    コリジョンスポーツであるラグビーでは肩の外傷が多くみられます。競技特性から手術を要することが多いのですが,再受傷が多いこと,競技復帰までが長いことが治療選択の難しさとなっています。

    外傷性肩関節前方脱臼(外傷性不安定症)は,強豪高校では15%の選手に既往歴があり1),選手にとって少なからず問題となっています。再受傷頻度は1シーズン当たり55〜80%1)2)と高いものの,手術による離脱期間が4〜5カ月と長いため,治療選択は学年や時期に依存するのが現状です。将来性のあるエリート選手の場合,初回脱臼で手術をすることも少なくありません。手術術式はコリジョンスポーツの場合,バンカート病変の修復に何らかの補強が必要と考えられており,烏口突起を関節窩前方に移行する手術の追加が主流です3)。一方,鏡視下バンカート修復術では腱板疎部の縫縮や上腕骨の骨欠損を隣接する腱板で蓋をするremplissage法による補強が行われています。

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