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■NEWS 容器の取り違えによる高濃度アドレナリンの局所注射で注意喚起-医療安全情報

No.5141 (2022年11月05日発行) P.70

登録日: 2022-10-26

最終更新日: 2022-10-26

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日本医療機能評価機構は10月17日、「医療安全情報(No.191)」を公表した。今回は手術時に局所麻酔剤を注射する際の容器の取り違えで患者に高濃度のアドレナリンを注射した事例を取り上げ、注意を喚起した。

機構によると、こうした事例は2019年1月1日~2022年8月31日までの間に3件報告されている。このうち2件は、濃度が異なるアドレナリンを同じ形状の容器に入れて用意したことが事故を招いた。

ある事例では、看護師が清潔野で「1%Eキシロ+生食」のラベルを貼った薬杯に「キシロカイン調製液(アドレナリン20万倍希釈)」を、「外用ボスミン」のラベルを貼った薬杯に「ボスミン外用液0.1%(同1000倍希釈)」をそれぞれ準備した。

まず、キシロカイン調製剤による局所麻酔が行われ、看護師は次に必要になるのは外用ボスミンに浸したガーゼだろうと判断し、「外用ボスミン」の薬杯を手前に置いた。医師の次の指示は再度の局所麻酔だったが、看護師はその際に薬杯側面のラベルを確認することなく、手前に置いていた薬杯から薬液を注射器に吸って医師に手渡してしまったため、外用ボスミン4mLが誤って患者に投与された。

もう1つの紹介事例でも、看護師がシャーレに入れた「キシロカイン調製液(アドレナリン30万倍希釈)」と「ボスミン外用液0.1%(同1000倍希釈)」を器械台に準備。2つのシャーレは離して置き、「キシロカイン調製液」が入ったシャーレの蓋にのみ、薬剤名が表示されていた。

手術開始後、医師のボスミン綿球の指示を受け、看護師は外用ボスミンの入ったシャーレを「キシロカイン調製液」のシャーレの隣に移動。その後、医師から局所麻酔剤の指示があったが、この事例でも看護師が確認を怠って外用ボスミン入りのシャーレから薬液を注射器に吸って医師に渡した結果、高濃度のアドレナリンが患者に投与されてしまった。

■容器の形状や色を変える院内ルール決定が事故防止のポイントに―機構

いずれの事例も、投与後に患者の血圧や心拍数が急激に上昇したことなどにより、ミスが発覚した。機構はこうした事故の防止にあたっては、局所麻酔剤とアドレナリン製剤の容器の形状や色を変えることを検討し、院内ルールを決めることがポイントになると指摘している。

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