(質問者:兵庫県 K)
(1)布おむつから紙おむつに変わっていったのはいつの頃か
日本衛生材料工業連合会の広報によると,1963年に,布おむつや生理用ナプキンに似た長方形のおむつカバーを併用するフラット型の紙おむつが発売開始になっており,これが日本で最初の紙おむつと言われているようです。1977年には,米国系のP&G社がパンパースⓇの輸入・販売を始めます。これは立体裁断されていて,腰の部分の2箇所をテープでとめるだけでおむつカバーとおむつの両方を兼ねる「テープ型」と呼ばれるおむつで,現代にも通じるものです。1981年には,ユニ・チャーム社が同様のスタイルの国産紙おむつムーニーⓇを発売,その後数社が続いて,日本でも紙おむつが急激に普及していきました。つまり,布おむつから紙おむつに変わっていった時期は,日本ではだいたい1980年代,と言えるようです。
(2)昔と比べておむつが外せる時期はだんだん遅くなっているのか
2016年現在,子育てをしている母親のおばあちゃん世代,すなわち現在80歳以上くらいの方が子育てをしている頃は「おむつは1歳の夏までに外せ」と言われていました。現在,子育てをしている母親の母親世代,すなわち現在50歳代程度の方が子育てをしている頃は「おむつは2歳までに外そう」と言われていたのです。実際,聞き取りによると,そのようにおむつが外されていたことがわかります。ところが,現在,3歳でもおむつが外れていない子どもは少なくありません(図1)1)。
たとえば,2009年のおむつ会社の調査によると,「おむつ外しの平均は40カ月である」と発表されたりしていました。活発で言葉もはっきり発している3歳児のうちの多くがいまだおむつをつけている,ということには,疑問を感じる方も少なくないのではないでしょうか。
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