第19回(No.5152)で標準肢誘導を扱いましたが,今回は胸部誘導(precordial/chest leads)にフォーカスして解説します。心臓の“真上”に電極を置いて記録するという,“ザ・心電図”のイメージそのものだと思います。
今回もクイズ形式でお届けいたしますので,気楽に読み進めて頂ければと思います。
これができなければ話は何も始まりません。あれこれ言葉で説明するより,図で示したほうが早いでしょう(図1)。何番目の肋間なのかとメルクマール(目印)となる3本の線に特に着目しましょう。
ここで大事な点。V1誘導を記録するための電極を“V1電極”と呼んでしまいたくなりますが,「C1電極」というのが正確な表現です。ボクは“Chest”の頭文字だと思っています。
国内メーカーの心電計では,胸部に“シール”感覚のディスポ電極を貼り,次のような“色付きクリップ”でつまむケースが大半と思われます。
C1:赤,C2:黄,C3:緑,C4:茶,C5:黒,C6:紫
欧米ほか諸外国では,微妙に違う色使いだったり,全部が白(または茶)のようなパターンもあるようですよ。ですから,電極は何色かではなく,「C*」と呼ぶべきかと思います。