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重症下肢虚血(CLI)に対する再生医療の現状と展望は?

No.5160 (2023年03月18日発行) P.52

寺師浩人 (神戸大学医学部附属病院形成外科教授)

田中里佳 (順天堂大学大学院医学研究科再生医学 主任教授/順天堂大学医学部形成外科教授/ 順天堂医院足の疾患センター センター長)

登録日: 2023-03-15

最終更新日: 2023-03-14

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  • 重症下肢虚血(critical limb ischemia:CLI)の血流改善治療において,末梢血行再建術が困難な患者への再生医療は現在どこまで進んでいるのでしょうか。また,今後の展望を教えて下さい。
    順天堂大学・田中里佳先生にご解説をお願いします。

    【質問者】寺師浩人 神戸大学医学部附属病院形成外科教授


    【回答】

     【現在,コラテジェン®が条件付き承認され臨床で使用されており,細胞治療薬の開発が進んでいる】

    CLIや包括的高度慢性下肢虚血(chronic limb threatening ischemia:CLTI)の既存の治療として薬物療法,カテーテル治療による血行再建術やバイパス手術などが存在しますが,これらを行っても十分な血流改善が得られない場合は下肢切断を余儀なくされます。大血管の治療法は確立されていますが,微小血管に対する治療法はなく,これらに対する新たな治療法が確立されれば,下肢救済できる患者が増えると思われます。

    2019年にCLTIに対して初めての再生医療等製品としてヒト幹細胞増殖因子(hepatocyte growth factor:HGF)遺伝子治療薬のコラテジェン®が条件付き承認となりました。コラテジェン®はHGFの血管新生作用によって,側副血行路が発達し,虚血部位の血管数と局所血流量を増加させ,血流改善に伴い創傷治癒を促進することが期待されています。現在,本承認に向けて手続きがなされています。

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