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乳房や精巣に発生したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療について

No.5161 (2023年03月25日発行) P.52

石塚賢治 (鹿児島大学大学院医歯学総合研究科血液・膠原病内科学分野教授)

宮崎香奈 (三重大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学講師)

登録日: 2023-03-23

最終更新日: 2023-03-20

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  • 乳房や精巣に発生したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)の治療について,三重大学・宮崎香奈先生にご解説をお願いします。

    【質問者】石塚賢治 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 血液・膠原病内科学分野教授


    【回答】

    【中枢神経系再発予防の治療を考慮する必要がある】

    乳房や精巣に発生したDLBCLは,これらの病変を持たないDLBCLと比較して中枢神経系(central nervous system:CNS)の再発率が高いため,CNS再発予防を組み入れた治療を考慮する必要があります。

    DLBCLの標準治療はR-CHOP療法(リツキシマブ,シクロホスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン,プレドニゾロン)です。2022年にはビンクリスチンをポラツズマブに変えたpola併用R-CHP療法も標準治療のひとつになっています。リンパ腫治療で用いる多くの抗癌剤はCNSに到達しないことから,脳,眼球,脊髄腔,脊髄に病変がある場合と,それ以外に病変がある場合では治療レジメンがまったく異なります。CNS病変のあるリンパ腫を治療する場合は,CNSへの移行可能な抗癌剤を用いた特別な治療法が必要になりますが,もともとCNS病変がないDLBCL患者に対して,CNS再発予防治療として何を施行すればよいのか定まったものはありません。

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