ボーエン様丘疹症はαパピローマウイルス,中でも16型に代表される粘膜ハイリスク型ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus:HPV)の感染症である1)。外陰部や肛門にみられる病変だが,子宮頸部上皮内腫瘍(cervical intraepithelial neoplasia:CIN)に相当するものである。したがって,CINから子宮頸癌に進行するのと同様に外陰癌への進行のリスクがある。感染経路は主に性的接触である。
以下の3つの特徴から診断する2)3)。
①臨床的には黒色あるいは紅褐色の丘疹が集簇,散在してみられる。
②病理組織学的にはボーエン病と同様の異型が認められる。
③経過は一般的に良好で,かなりの症例で自然消退がみられる。
したがって,生検による病理組織学的診断がほぼ必須である。ウイルス学的に粘膜ハイリスク型HPVを検出できれば,さらに確実となる。
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