厚生労働省は8月1日、ギリアド・サイエンシズが申請していた多剤耐性HIV-1感染症治療薬「シュンレンカ錠300mg」および「シュンレンカ皮下注463.5mg」(一般名:レナカパビルナトリウム)を薬事承認した。翌2日の中医協で薬価は錠剤300mg1錠:9万4814.20円、注射剤1.5mL2瓶1組:320万8604円と設定された。8月9日に収載される。
シュンレンカは、新規作用機序のカプシド阻害作用を有する長時間作用型HIVカプシド阻害剤。投与スケジュールは導入療法と維持療法に分かれ、他の抗HIV薬と併用しながら、錠剤を1日目・2日目に2錠、8日目に1錠を経口投与し、さらに15日目に注射剤927mgを皮下投与する。以降は維持療法として927mgを6カ月に1回皮下投与する。
シュンレンカは多剤耐性HIV-1感染症に対する唯一の治療薬として、これまでに米国、英国、欧州、カナダ、オーストラリア、イスラエル、スイス、UAEで承認されている。治験責任医師を務めた大阪医療センターHIV/AIDS先端医療開発センター特別顧問の白阪琢磨氏は「(シュンレンカは)HIV流行の終結に向けた大きな一助になる」とコメントしている。
「シュンレンカ」の安全性
副作用としてシュンレンカ錠で悪心(3%以上)、シュンレンカ皮下注で注射部位反応(腫脹、疼痛、結節、紅斑、硬結、そう痒感、漏出、不快感、腫瘤、血腫、浮腫、潰瘍)(63%)や悪心(3%以上)が報告