株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

【識者の眼】「産婦人科領域における遠隔健康医療相談活用事例⑧─比較的新しい生理用品の相談」重見大介

No.5185 (2023年09月09日発行) P.62

重見大介 (株式会社Kids Public、産婦人科オンライン代表)

登録日: 2023-08-29

最終更新日: 2023-08-29

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

筆者が2018年より開始した産婦人科領域における遠隔健康医療相談サービス1)から、活用事例シリーズの第8回目として、今回は「比較的新しい生理用品の相談」について紹介したいと思います。

産婦人科を受診する理由の1つに「月経関連の症状やトラブル」があります。月経困難症、過多月経、月経不順、月経前症候群など、月経に関わる症状やトラブルは多くの女性が抱えています。月経痛がひどい、月経が不順で困っている、月経量が多くて貧血気味だ、などの場合には産婦人科を比較的受診しやすい状況ですが、それより手前の段階でも様々な不安や疑問が存在していることを、オンライン相談をしていて実感します。

たとえば、「どんな生理用品が自分に合っているのだろうか」「最近耳にする新しい生理用品(月経カップや月経用吸水ショーツ)って便利・安全なのかな」などの疑問を持っている女性は少なくありませんが、それだけで産婦人科を受診するにはハードルが高いでしょう。そこで、オンライン相談が活用されます。月経カップや月経用吸水ショーツは「フェムテック」の例としてメディア等に掲載されることが増えており、気になっている女性が多いように感じています。

月経カップは、腟内に挿入して、経血を「溜めて捨てる」という生理用品です。4〜8時間程度の使用が可能で、煮沸消毒して何度でも使えます。また、2〜3年程度は継続して使える製品が多く、経済的とも言えるでしょう。挿入時に少しコツがいることや、きちんと定期的に交換したり消毒したりしないと不衛生となり細菌感染を起こしてしまうリスクがあるなどの点には注意が必要です。

月経用吸水ショーツは、月経血を吸収する機能が備わっているショーツです。製品によって吸収量が異なりますが、1日はき替えることなく過ごせたり、不快感がナプキンより少なくアクティブに動けるといったメリットがあります。

こうした新しい生理用品の活用は生活の質向上につながる可能性があり、正しい医学知識も含めた適切な情報提供にオンライン相談が活用できるでしょう。

【文献】

1)株式会社Kids Public:産婦人科オンライン. https://obstetrics.jp/

重見大介(株式会社Kids Public、産婦人科オンライン代表)[生活の質向上]

ご意見・ご感想はこちらより

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

関連物件情報

もっと見る

page top