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悪性リンパ腫における同種移植の適応について

No.5187 (2023年09月23日発行) P.53

遠西大輔 (岡山大学病院ゲノム医療総合推進センター 血液・腫瘍科 研究教授)

藤 重夫 (大阪国際がんセンター血液内科副部長)

登録日: 2023-09-21

最終更新日: 2023-09-19

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  • B細胞性リンパ腫とT細胞性リンパ腫ではその考え方も異なり,組織型によっても変わってくると思います。
    近年のトレンドも含め,最近の悪性リンパ腫における同種移植の適応の考え方について,大阪国際がんセンター・藤 重夫先生にご解説をお願いします。

    【質問者】遠西大輔 岡山大学病院ゲノム医療総合推進センター 血液・腫瘍科 研究教授


    【回答】

    【同種移植の適応は,新規薬剤の開発で大きく変化している】

    B細胞性リンパ腫に関しては病型により異なりますが,最近はCD19 CAR-T細胞療法の高い有効性が示されており,同種造血幹細胞移植が施行される例は世界的に減少傾向となっております。

    特に,これまでにデータが豊富なCD19 CAR-Tを用いた大細胞型B細胞リンパ腫(large B-cell lymphoma:LBCL)における治療成績では長期のフォローアップでも30~40%は無増悪生存が維持できるということで1),これが同種移植の成績とほぼ同等ではあります。そうすると同種移植のほうが圧倒的に合併症リスクも高く,基本的にはCD19 CAR-T細胞療法のほうが選択されると考えられます。その一方で,CD19 CAR-T細胞療法後に完全奏効(complete response:CR)を獲得できなかった例に関しては,非常に高い再発率を示しますので,再発例も含めて何らかの救援療法の後に同種移植を選択する可能性はあります2)

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