Meiji Seikaファルマは11月28日、新型コロナウイルス感染症に対する次世代mRNAワクチン「コスタイベ筋注用」について記者説明会を開催した。コスタイベは、米バイオ企業アークトゥルス・セラピューティクスが開発した、投与後に体内でmRNAを自己複製する「レプリコンワクチン」。Meiji Seikaファルマが国内の供給・販売権を取得し臨床試験を進め、同日、レプリコンワクチンとして世界初となる製造販売承認を厚労省より取得した。
レプリコンワクチンは既存のmRNAワクチンに比べ少量投与で済み、より効果が持続するとされる。コスタイベは追加免疫の国内第3相試験で、ファイザーのコミナティに比べ抗体価が高く持続性に優れていることが確認された。
同社はコスタイベが起源株対応の1価ワクチンのため今冬は販売せず、来年の秋冬接種に向けた供給開始を想定して起源株とオミクロン株による2価ワクチンの開発を進める。原薬はアルカリス社(福島県南相馬市)から調達、今後国内に新製造棟を建設し、2027年には約1億回接種分の生産体制を構築する方針。28日の説明会で同社の小林大吉郎社長(写真)は「ワクチン敗戦と揶揄された我が国で、レプリコンワクチン実用化において世界に先駆けることができた。何とかゴールまで持っていきたい」と強調した。
「コスタイベ」の第3相臨床試験結果
①デルタ株流行下のベトナムでの初回免疫第3相試験(1.6万例)で初回免疫の有効性(発症予防効果)を確認
②国内追加免疫第3相試験でオミクロン株に対する中和抗体価についてコミナティに対する優越性を確認