厚生労働省の結核感染症課は自治体に対し7日付で、西アフリカを中心に感染が拡大しているエボラ出血熱への対応に関する情報提供の事務連絡を発出した。医療機関で感染疑い患者が発生した場合の対応の流れを解説している。
それによると、診断では他の出血熱や熱帯性伝染病との鑑別を行うため、国立感染症研究所の「エボラ出血熱診断マニュアル」を参照しながら、(1)38℃以上の発熱、(2)激しい下痢、(3)原因不明の出血、(4)発症前3週間以内の流行地への渡航歴、(5)ウイルス宿主と考えられるコウモリ、霊長類との接触歴─などの症状と疫学的リスクを確認。検査を実施する場合は保健所と十分に相談して検体採取を行い、保健所・都道府県は感染研と相談の上で患者を第1種感染症指定医療機関に移送することを検討する。
今回の同感染症の流行に関して、世界保健機関(WHO)は7日、「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、世界各国に輸入症例への警戒を呼び掛けている。ただし厚労省は、主な感染経路が患者の体液への接触であることから、日本人旅行者への感染リスクは「非常に低い」としている。