デング熱の国内感染者発生を受け、厚生労働省は8月27日、『デング熱診療マニュアル』を公表した。5日までに各医療機関に配布される。
マニュアルは高崎智彦国立感染症研究所ウイルス第一部室長らがまとめたもの。「海外渡航歴がない者についても、発熱などの症状がある場合はデング熱を疑う必要性が生じている」と指摘した上で、重症度別に診療指針を解説している。
それによると、デング熱には有効な予防ワクチンや治療薬がなく、水分補給やアセトアミノフェン等の解熱剤の投与など対症療法が中心となる。アスピリンは出血傾向やアシドーシスを助長するため使用すべきでないとしている。また、出血やショック症状を伴う重症例でも、輸液や輸血など適切な治療を行えば、致死率は1%未満に抑えられるとしている。