株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

急性硬膜外血腫[私の治療]

No.5213 (2024年03月23日発行) P.45

戸村 哲 (防衛医科大学校防衛医学研究センター教授)

登録日: 2024-03-22

最終更新日: 2024-03-19

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 頭部外傷において,打撲部位に頭蓋骨骨折をきたし,その骨折の直下の血管(中硬膜動脈や静脈洞など)が損傷され,頭蓋骨と硬膜の間に血腫を形成するパターンが典型的である。血腫増大は通常,受傷後6時間以内に終了する(抗血栓薬内服中の場合は除く)。意識清明期(lucid interval)を伴うことが特徴とされるが,これを示す患者は全患者の47%との報告もある。

    ▶診断のポイント

    頭部CTで打撲部位の直下に頭蓋骨骨折と凸レンズ型の血腫を認める。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    典型例では脳実質の損傷がなく,血腫による脳の圧迫のみが問題となるため,早期に血腫を除去すれば生命予後,機能予後ともに良好である。したがって,神経脱落症状やCT所見から迅速に手術適応を判断することが最重要である。反対に,診断や治療タイミングの遅れにより,頭蓋内圧亢進から脳ヘルニアをきたして予後不良となりうる。重症例では,合併する急性硬膜下血腫や脳挫傷の程度により,生命予後や機能予後が左右される。

    残り1,281文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top