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脊髄刺激療法(SCS)が有効な疾患や症状,本治療の近年のトピックスについて

No.5222 (2024年05月25日発行) P.58

金 景成 (日本医科大学千葉北総病院脳神経外科部長)

笹森 徹 (札幌麻生脳神経外科病院機能外科センターセンター長)

登録日: 2024-05-24

最終更新日: 2024-05-21

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  • 脊髄刺激療法(spinal cord stimulation:SCS)が有効な疾患や症状,本治療の近年のトピックスについて,札幌麻生脳神経外科病院・笹森 徹先生にご解説をお願いします。

    【質問者】金 景成 日本医科大学千葉北総病院脳神経外科部長


    【回答】

    【SCSは,神経障害性疼痛(NP)に対する除痛効果が期待され,近年,刺激方法の多様化とclosed-loop SCSが注目されている】

    SCSは,わが国では1992年から難治性慢性疼痛に対する治療として保険収載されたニューロモデュレーション療法です。慢性疼痛の中でも神経障害性疼痛(neuropathic pain:NP)に対して有効とされ,脳や脊髄由来の中枢性NPよりも末梢神経障害に伴う末梢性NPに対し,高い除痛効果が期待されます。特に,脊椎手術後症候群(failed back surgery syndrome:FBSS)において豊富なエビデンスが存在し,保存治療や再手術を上回るSCSの除痛効果が証明されてきました。NP以外の痛みでは,痛覚変調性疼痛の機序が考えられる複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)や末梢動脈疾患,狭心症といった循環器疾患に伴う痛みにも,SCSが高い除痛効果を発揮することが知られています。

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