株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

最近の脊髄腫瘍治療について

No.5220 (2024年05月11日発行) P.47

山口 秀 (北海道大学大学院医学研究院脳神経外科診療准教授(講師))

遠藤俊毅 (東北医科薬科大学脳神経外科教授)

登録日: 2024-05-09

最終更新日: 2024-05-07

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 希少疾患である脊髄腫瘍の最近の治療動向や今後の展望について,豊富な治療経験を持つ東北医科薬科大学・遠藤俊毅先生にご解説をお願いします。

    【質問者】山口 秀 北海道大学大学院医学研究院脳神経外科診療准教授(講師)


    【回答】

    【脊髄腫瘍のうち難易度の高い脊髄髄内腫瘍手術治療の成績について,日本での現状が報告された】

    脊髄腫瘍には様々な種類があります。特に,脊髄に発生する腫瘍は脊髄を包む硬膜との位置関係から,硬膜外腫瘍,硬膜内髄外腫瘍,(硬膜内)脊髄髄内腫瘍に分類されます。

    日本脊髄外科学会では,2009〜20年にかけて全国58施設で行われた脊髄髄内腫瘍手術1033例に関する多施設共同後方視的解析を通じて,わが国における脊髄髄内腫瘍摘出手術治療の現状を明らかにしました。

    手術は主に10年以上の経験を持つ脳神経外科医によって行われ,全摘出または亜全摘出が78.1 %に達しました。術後の5年生存率は89.1%,10年生存率は86.0%であり,術前の神経機能,腫瘍摘出度,組織診断が生存率および神経機能予後と統計学的に有意な関連を示しました。

    残り528文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top