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ジベルバラ色粃糠疹[私の治療]

No.5213 (2024年03月23日発行) P.48

橋爪秀夫 (磐田市立総合病院皮膚科部長)

登録日: 2024-03-24

最終更新日: 2024-03-19

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  • 先行感染の1~2週間後に,突然体幹を中心とする多発性の紅斑が出現する疾患で,特徴的な皮疹の分布および個疹の性状から診断が可能である。自然治癒傾向がある。

    ▶診断のポイント

    視診が最も診断に重要である。背部においてクリスマスツリー様と称される皮膚割線に沿った特徴的な分布を呈する。「ヘラルドパッチ」と呼ばれる大きな楕円形の鱗屑を伴った紅斑が初発した後,急に体幹四肢に多発性の小紅斑が出現する。紅斑の色調は淡紅色~紅色であり,個疹はパイピングスケールと呼ばれる環状の鱗屑を伴った紅斑が典型的である。かゆみはあまりないか,あっても激しくない。口腔粘膜疹を伴う例が16%ほどあるという。

    病因として,潜伏感染しているヒトヘルペスウイルス(HHV)-6またはHHV-7の再活性化が関与していると言われている1)。最近,COVID-19発症後に本疾患を発症する頻度が高いという報告が相次いでいる2)。パンデミックに関連した心理的ストレスやSARS-CoV-2感染に伴う免疫抑制が,HHV-6/7などの潜伏感染症の再活性化を可能にし,間接的に発症を引き起こしている可能性がある。また,COVID-19患者では他のHHVの同時再活性化が報告されており,本疾患の発症に影響を及ぼす可能性がある

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