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【識者の眼】「引き続き求められる新型コロナへの警戒」小倉和也

No.5218 (2024年04月27日発行) P.63

小倉和也 (NPO地域共生を支える医療・介護・市民全国ネットワーク共同代表、医療法人はちのへファミリークリニック理事長)

登録日: 2024-04-10

最終更新日: 2024-04-10

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新型コロナウイルスの抗原検査キットの販売の特例措置が昨年度で廃止され、国が承認した検査キットのうち「体外診断用」と表示されたキットの薬局・ドラッグストアでの販売が終了した1)。コロナに対する特例的な対応はおおむね終了となるが、コロナ罹患時の死亡率もいまだ風邪やインフルエンザと同程度とは言えず、以下の点に留意して引き続き警戒することが必要となるだろう。

日本以外の国では「コロナは空気感染である」と明記されており、消毒よりも換気やHEPAフィルターつきの空気清浄機の使用、N95マスクの適切な使用が重要であることが強調されている。米国などでは、医療介護関係者がコロナ陽性者のケアにあたる際には、単にN95マスクを用いるだけでなく、フィットテストを経た正しい装着が義務づけられている

診断についても、発熱の有無や症状だけではコロナか否かを判断できないことはもちろんだが、抗原検査キットによる判定も、米国では有症状なら48時間以上あけて2回、接触あり無症状などの場合は3回の陰性を確認しなければ陰性と判断しないことになっている。これらについても再度周知が必要であろう。

国が承認した抗原検査キットには、これまで「体外診断用」と「第1類医薬品」の2種類が一般でも購入可能であったが、今後は来年3月までは販売できる「体外診断用」の在庫分を除き「第1類医薬品」のみとなる。これまで「体外診断用」と表示されたものがより多く流通していたため、当院では発熱・感冒症状で受診し抗原検査キット陰性だった場合は48時間後に「体外診断用」検査キットでの再検を勧めていたが、今後は主に「第1類医薬品」での再検を勧めることになる。

いずれにしても今後信頼性の高い抗原検査キットの流通が十分に確保されない場合、様々なコロナ対策支援の終了による受診控えと相まって、感染の拡大につながることが懸念される。米国では陽性時の5日間の療養期間もなくなりさらに懸念が広がっているが2)、もし日本で今後、療養期間の短縮や廃止の動きがあったとしても、医療介護従事者は新型コロナの感染力を考慮した療養を検討する必要があるだろう。

空気感染であることの周知や抗原検査キットでの自己検査が必要であることに加え、オンライン診療での診断・治療が世界中で当たり前になる中、新たな日常にどのように戻っていくかについても十分な注意が必要だ。

【文献】

1)厚生労働省医薬局総務課:事務連絡通知「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う薬局及び医薬品販売業に係る特例的措置関係事務連絡の廃止について」.(2024年3月25日)

2)MEDRAGETODAY公式サイト:Hold Your Horses, Health Workers With COVID Still Must Isolate.(2024年3月16日) 
https://www.medpagetoday.com/opinion/second-opinions/109196

小倉和也(NPO地域共生を支える医療・介護・市民全国ネットワーク共同代表、医療法人はちのへファミリークリニック理事長)[抗原検査キット[空気感染][療養期間]

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