2013年福岡大学医学部卒業。その後,北海道家庭医療学センター,福岡大学筑紫病院小児科,福岡大学病院総合周産期母子医療センターで勤務し,Harvard Medical School Foundations of Clinical Research卒業。家庭医療専門医・指導医。現在,Johns Hopkins University School of Public Health MPH在学。専門は小児プライマリ・ケア。
2000年に制定された「児童虐待の防止等に関する法律」(児童虐待防止法)により,子ども虐待は「保護者(同居人を含む)」がその「監護する児童」に対して行うものと定義され,「身体的虐待」「性的虐待」「精神的虐待」「ネグレクト」の4つに分類された(表1)1)2)。また,2004年には,保護者以外の同居人による児童虐待と同様の行為の放置,児童の目の前でのドメスティック・バイオレンス(DV)など,児童への被害が間接的なものについても児童虐待に含まれることになった。
ここで強調されるべき点は,分類化が「目的」ではないということである。事実として,子ども虐待の背景は非常に複雑であり,すべてのケースで明確に分類できるわけではない。