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子どもの尿失禁,診断と治療の要点は?

No.5219 (2024年05月04日発行) P.50

宋 成浩 (獨協医科大学埼玉医療センター小児泌尿器科教授)

野口 満 (佐賀大学医学部泌尿器科学講座教授)

登録日: 2024-05-06

最終更新日: 2024-04-26

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  • 小学生になっても治らない尿失禁,さらに徐々に悪化する場合には,どのように診療すべきでしょうか。
    佐賀大学・野口 満先生にご解説をお願いします。

    【質問者】宋 成浩 獨協医科大学埼玉医療センター小児泌尿器科教授


    【回答】

    【小児尿失禁の病因は多岐にわたり,病因に基づき加療が行われる】

    小児尿失禁には,夜だけ漏らす夜尿症,昼間だけ漏らす昼間尿失禁,その両方の3つのパターンがあります。治療は,昼間尿失禁が優先され,その後に夜尿症の治療を行います。

    病因は,①先天性の尿路の器質的疾患,②神経因性,③非神経因性の機能性障害,④夜尿症,に分類されます。①先天性疾患および②神経因性の場合,難治性尿路感染症,腎機能障害のリスクが高く,早期に専門医による治療が必要です。これらは,時に学童期に発覚することがあり,腎尿路の超音波エコー検査,検尿検査などでの鑑別が必要です。

    一般医家が診る尿失禁は③,④が多いので,これらの診療ポイントを概説します。

    (1)生活指導

    生活環境の変化や習い事などによる食事や睡眠パターンの乱れが,増悪の原因となります。起床・就寝時間,食事・飲水の見直しが必要です。水分の過剰摂取,特に就寝2~3時間前の多飲は夜尿を増悪させます。しかし,過度な水分制限も膀胱容量が増加せず尿失禁をきたします。

    Dr.西﨑の「夜尿症の診かた」〜コツとピットフォール、教えます

    残り662文字あります

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