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自己免疫疾患患者の帯状疱疹ワクチン接種について

No.5220 (2024年05月11日発行) P.46

古田俊介 (千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科特任講師)

久保智史 (産業医科大学医学部分子標的治療内科学准教授)

登録日: 2024-05-08

最終更新日: 2024-05-07

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  • わが国でもシングリックス®が使用可能となり,2023年には対象年齢も引き下げられました。免疫抑制剤ごとの帯状疱疹発症リスク,免疫抑制剤使用中の帯状疱疹ワクチンの効果,最適な対象者・接種タイミングなどについて,産業医科大学・久保智史先生にご解説をお願いします。

    【質問者】古田俊介 千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科特任講師


    【回答】

    【50歳以上の健常人への接種を,自己免疫疾患発症前に完了しているのが理想である】

    帯状疱疹はヘルペスウイルス(DNAウイルス)のひとつである水痘帯状疱疹(varicella:水痘,zoster:帯状疱疹)ウイルスによって引き起こされるウイルス感染症です。小児期に水痘に罹患後,ウイルスは脊髄後神経節や脳神経節に潜伏感染し,成人後の細胞性免疫の低下に伴い帯状疱疹を発症します。帯状疱疹は眼合併症や髄膜炎,脳炎など重篤化することがあり,さらに3割程度に発症する帯状疱疹後神経痛は疼痛が非常に強く,ADL障害を伴います。

    わが国の成人における帯状疱疹ウイルス抗体保有率は90%を超えており,ほぼ全員が小児期に水痘に罹患していると想定されています。すなわち,日本人全員が帯状疱疹の発症リスクを有していると言えます。

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