ファイザーは4月23日、乳がんおよび前立腺がんを対象疾患とするPARP阻害薬「ターゼナカプセル」(一般名:タラゾパリブトシル酸塩)の販売を開始したと発表した。いずれの疾患の場合も1日1回の経口投与で用いる。
ターゼナは、DNA修復など細胞内で重要な役割を果たす酵素PARPの触媒活性抑制とトラッピングという2つの作用機序によりPARP1とPARP2を強力に阻害することで、相同組み換え修復(HRR)遺伝子に変異を有する腫瘍細胞で合成致死を誘導。BRCA遺伝子変異がある腫瘍細胞ではHRRが十分に起こらないため、同剤のPARP阻害作用により腫瘍細胞死を誘導し、治療効果を発揮すると考えられている。
用法・用量は、去勢抵抗性前立腺がんに対しては「エンザルタミドとの併用において、通常、成人にはタラゾパリブとして1日1回0.5mgを経口投与する」。乳がんに対しては「通常、成人にはタラゾパリブとして1日1回1mgを経口投与する」。
ファイザーのジョンポール・プリシーノ取締役(オンコロジー部門長)は、「ターゼナの発売により、乳がんと前立腺がん患者へ新たな治療法を届け、アンメットメディカルニーズに貢献し続けられることを嬉しく思う」とコメントしている。
「ターゼナ」の薬価
0.1mg 1カプセルが3920.70円、0.25mg 1カプセルが9576.00円、1mg 1カプセルが2万1547.10円