第33回日本認知症学会学術集会が横浜市で開かれ、11月29日の学術教育講演「アルツハイマー病予防の可能性?大規模介入研究の現在」では、米国を中心に始まった、アルツハイマー病(AD)の予防法確立に向けた「Solane-zumab」など治療薬(抗アミロイドβ抗体)の予防効果を検証する4つの大規模介入研究(API、A4 trail、The Religious Orders Study、DIAN trial)の動向が報告された。講演した東海林幹夫氏(弘前大院教授)は、アミロイドβ仮説に基づいた病態修復薬開発の研究は「AD予防に向けた最後の聖戦になる」と述べ、期待を寄せた。
東海林氏は、このうち米ワシントン大セントルイス校で2013年にスタートした、遺伝子変異を持つ家族性ADを対象としたDIAN trialsについて、「2、3年後の成果が期待できる」とコメント。さらに、国内での取り組みとして、大阪市大が中心となり氏も参加して準備を進めている「DIAN-Ja-pan」を紹介。「欧米に遅れを取られないよう進めたい」と述べた。