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■NEWS 診療所・入院外の点数が前年比1%減少―23年度社会医療診療行為別統計

登録日: 2024-07-03

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厚生労働省は626日、2023年の「社会医療診療行為別統計」の結果を公表した。それによると、診療所(入院外)の1件当たり点数や1日当たり点数が前年に比べ約1%減少していることがわかった。病院(入院、入院外)、診療所(入院)の点数はほぼ横ばいか増加した。コロナ禍が落ち着いて以降、入院外の「初・再診」や「検査」の減少が影響したものとみられる。

この統計は保険診療の実態を調査するもので、診療報酬改定の基礎資料などに活用されている。今回は236月審査分のレセプトのうち「匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)」に蓄積されている全数を集計対象とした。集計対象レセプトの件数は医科で約8760万件、歯科と保険薬局を含めた総数では約16572万件。総数は、コロナ禍の20年に前年比19.3%減と大きく落ち込んで以降は増加基調にあり、23年は前年比で6.5%増えた。

「初・再診」「検査」の減少が影響か

まず医科全体を入院、入院外別にみると、入院の1件当たり点数は6230.4点で前年比1.6%増、1日当たり点数は4027.5点で4.6%増。これに対して入院外は1件当たり点数が1480.9点で0.0%減、1日当たり点数が1007.1点で0.3%減といずれも微減となった。

入院の1日当たり点数を診療行為別にみると、構成割合が最も高い「入院料等」(構成割合35.5%)は1430.8点で対前年比3.3%増、次いで「診断群分類による包括評価等」(29.7%)が1197.0点で4.2%増、さらに「手術」(18.6%)が748.0点で6.9%増と続く。入院の1件当たり日数は前年比0.44日減の14.95日。

入院外の1日当たり点数を診療行為別にみると、「検査」(構成割合18.4%)が185.7点で4.8%減、「注射」(13.3%)が133.9点で7.0%増、「初・再診」(13.0%)が131.1点で5.1%減、「投薬」(12.2%)が122.4点で1.3%減。1件当たり日数は前年と同水準の1.47日。

病院・診療所別にみると、まず入院では、病院の1件当たり点数は61934.4点(前年比1.4%増)、1日当たり点数は4059.1点(4.5%増)。診療所の1件当たり点数は22421.9点(0.7%増)、1日当たり点数は2724.1点(4.6%増)だった。

これに対して入院外では、病院の1件当たり点数は2775.4点(4.1%増)、1日当たり点数は1873.9点(3.0%増)。診療所の1件当たり点数は1103.9点(0.9%減)、1日当たり点数は752.3点(1.0%減)だった。

1日当たり点数を診療行為別にみると、「初・再診」は病院が8.5%減、診療所が4.4%減とともに大きく減少した。「検査」も病院、診療所ともに3.8%の減少。「初・再診」や「検査」の構成比が高い診療所で、マイナス影響がより大きく出たものと推察される。

このほか、今回の統計から「薬剤の使用状況」についてみると、薬剤種類数に占める後発医薬品の種類数の割合は、入院と入院外を合わせた総数が80.0%となり、前年比で1.8ポイント上昇。内訳は、入院74.6%(前年比1.4ポイント増)、院内処方(入院外・投薬)67.7%(1.0ポイント増)、院外処方(薬局調剤)82.5%(1.8ポイント増)となっている。

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