あすか製薬は6月24日、経口避妊薬LF111(一般名:ドロスピレノン)について、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表した。
LF111は、プロゲスチン(黄体ホルモン)単独の経口避妊薬(POP:Progestogen-Only Pill)。
現在国内で使用されている経口避妊薬は、合成エストロゲンとプロゲスチンの2種類の女性ホルモンが含有された混合型経口避妊薬(COCP:Combined Oral Contraceptive Pill)で、LF111は承認されれば国内初のPOPとなる。
POPは静脈血栓塞栓症のリスクがCOCPより少なく、WHOのガイドラインでは、喫煙者や肥満、高血圧もしくは弁膜症の女性、深部静脈血栓症もしくは肺塞栓症の既往を有する者には推奨度が高い経口避妊薬とされている。
今回の申請は、避妊を希望する日本人女性を対象とした国内第3相臨床試験で、主要評価項目である全般パール指数(その方法を用いて避妊を行った100人の女性が1年に妊娠する件数)を達成し、有効性が確認された結果に基づいて行われた。
LF111は女性の避妊を適応として、2019年に米国で「SLYND」、欧州で「SLINDA」の販売名で製造販売承認を取得。あすか製薬は2020年にスペインのInsud Pharma社より日本および韓国における独占的開発販売権の許諾を受けている。
ドロスピレノンに関する理科学的知見
【分子式】C24H30O3
【性状】白色~微黄白色の結晶性の粉末。アセトン又はN、N-ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくい