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人事・労務の悩み(採用編)[クリニック経営戦略「お悩み相談室」(第5回)]

No.5230 (2024年07月20日発行) P.52

監修: 小松大介 (株式会社メディヴァ・コンサルティング事業部長)

執筆: 越路公雄 (株式会社メディヴァ・コンサルティング事業部)

登録日: 2024-07-17

最終更新日: 2024-07-16

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質問
スタッフ採用でずっと困っています。なかなか良い人材の応募がなく,どうにか有望な人を採用できたと思っても短期間で辞めてしまうことが多いです。どう取り組めばよいのか悩んでいます。

回答
採用の課題でお悩みですね。短期間で辞めてしまわれるということで,採用後にどう定着させるかも課題ととらえられるでしょう。採用・定着・育成など,人事の施策は連動しているので,様々なアプローチが必要ですが,今回は「定着を見据えた採用」のあり方について説明していきます。

1. 医療業界の入職率・離職率はやや高め

そもそも,医療業界の入職率・離職率は,産業全体の中でもやや高いほうです。人の出入りが比較的多い業界で,かつ統計では離職率が入職率を上回っています(図11)

理由として大きいのは,資格職や経験者であれば比較的採用されやすい,つまり,辞めても次の仕事が見つかりやすく,良い条件の仕事を探しやすい業界であるということです。医療業界専門の求人サイトや紹介業者などが数多く存在していることも,転職市場拡大の一因となっています。

業界の平均離職率が15%という数値をふまえ,まずは離職率について貴院の実態を確認してみましょう。筆者の経験では,労働環境が悪く離職が激しい職場は20%を超えることが多く,落ちついた職場は7〜8%くらいにとどまることがほとんどです。数値を参考に,現状を理解することから始めていきましょう。

〈今回の数字〉
離職率15%(医療・福祉業界)

年間で100人中15人が離職する統計です。クリニックのような小規模の職場であれば,年間に7人に1人が離職していることになります。相対的に転職しやすい業界のひとつであるため,「人が入れ替わりやすい職場」であるという認識のもとで,採用・定着のための施策を準備しておくことが,基本的なスタンスとなります。

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