デング熱の国内感染症例の発生を受け、厚生労働省の「蚊媒介性感染症に関する小委員会」が17日、初会合を開き、蚊が媒介する感染症の予防指針策定に向け議論を開始した。国内に常在しているヒトスジシマカが媒介するデング熱とチクングニア熱の2疾患を対象に、発生動向の調査の強化、国内感染の流行拡大防止、医療の提供などの基本的な方向性を示す。同省は来年3月までに指針をとりまとめ、4月中の告示・適用を目指す。
同省は同日の会合に指針案を提示。発生動向の調査の強化については、診断・届出の手順等を示した手引きを国が作成することとした。日本医師会に対しては、患者発生時の検体提出への協力や、患者への啓発としてウイルス血症時の防蚊および献血を避けることの重要性を説明するよう依頼することも提案した。
医療については、専門家への相談体制の整備など的確な診断を行いやすい環境と適切な治療の提供を記載。医療関係者に対する情報提供(蚊や治療、院内での防蚊対策の実施方法)も盛り込むこととした。
マラリア、日本脳炎などヒトスジシマカ以外の蚊が媒介する感染症を指針の対象に含めるかどうかについては、今後の議論を踏まえて判断する。