厚科審予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会は9日、B型肝炎ワクチンの定期接種化を了承した。今後、上位部会での審議を経て、早ければ、2016年4月から定期接種化される見込み。
B型肝炎ワクチンに関しては2012年、厚科審予防接種部会が「広く接種を促進することが望ましい」と提言。13年の改正予防接種法附帯決議では、定期接種化の結論を得るよう努めることとした。
これを受け厚労省は、導入に向けて調査を実施。厚労省研究班(班長=須磨崎亮筑波大附属病院副院長)の調査の結果、小児におけるHBs抗原の陽性率は0.025%と推計。過去の感染を示すHBc抗体陽性者はHBs抗原陽性者の8~10倍存在した。17~21歳においても、同様の傾向が見られたことから、現在実施されている母子感染防止事業だけでは防げないウイルス感染が特定の小児で生じている可能性が考えられた。
このため厚労省は、「全出生者を対象に予防接種を実施することでB型肝炎による社会的疾病負荷の軽減につながる」との見解をまとめ、部会に定期接種化案を提示。
対象年齢は出生後から生後12カ月まで。標準的には2カ月、3カ月、7~8カ月で接種する。ワクチン製剤は遺伝子型A型、C型どちらかを選択可能とした。
これに対し部会は「提案はきわめて妥当」(岡部信彦座長)と了承した。部会の結論は15日に開催される上位の厚科審予防接種・ワクチン分科会に報告される。