「仕事とがん治療の両立は困難」と考えている人は約7割─。内閣府が17日に公表した「がん対策に関する世論調査」(昨年11月実施)の結果で、そうした実態が明らかになった。
それによると、現在の日本の社会は、がんの治療や検査のために2週間に一度程度病院に通う必要がある場合、働き続けられる環境だと思うかという質問に「そう思う」と答えた者は、「どちらかといえばそう思う」を合わせて28.9%にとどまった。「そう思わない」と答えた者は、「どちらかといえばそう思わない」を合わせると65.7%に上った。前回調査(2013年)と比べ「そう思わない」(68.9%→
65.7%)とする者の割合が低下している。
性別に見ると、「そう思う」と答えた者の割合は男性で、「そう思わない」は女性で、それぞれ高くなっている。年齢別では「そう思わない」と答えた者の割合は20歳代と40歳代で高くなっている。
一方、緩和ケアはいつから実施されるべきかという問いには「がんと診断されたときから」と答えた者が過半数(57.9%)に上った。「治療が始まったときから」は21.8%、「治る見込みがなくなったときから」は13.9%で、前回調査から大きな変化は見られない。