本連載では,日本プライマリ・ケア連合学会/全日本病院協会が実施している「総合医育成プログラム」の中から,選りすぐりのクリニカルパールを紹介します。現場のニーズを熟知しているエキスパートが,プライマリ・ケア医にとって「まさにそこが知りたかった!」というポイントをわかりやすく解説します。
皆様は,胸痛診療に自信はありますか? 一般外来と異なり,救急外来での胸痛は,「致死的疾患」を除外することに注力するのが大切で,その初期対応はある程度パターン化されています。そのため,救急外来の胸痛診療の第一歩は,4 killer chest pain(表1)を認識することから始まります。その中でも,今回は最も頻度の高い急性冠症候群(ACS)に焦点を当てていこうと思います。なお,特発性食道破裂を追加し,5 killerとすることもあります。