原発作業員の長期健康管理について議論する厚生労働省の「東電福島第一原発作業員の長期健康管理等に関する検討会」は17日、原発事故発生時の緊急作業に当たる作業員の被曝限度を250mSvに引き上げるとする報告書をまとめた。
現行の緊急被曝限度は100mSvだが、東電福島第一原発事故後の9カ月間は、労働者の健康リスクと周辺住民の生命・財産を守る利益を勘案し、250mSvに引き上げる特例省令が施行された。
昨年12月には原子力規制委員会が緊急被曝限度を250mSvとする方向性を提示。これを受けて、厚労省検討会が議論していた。
報告書では、「ヒトに関する急性被曝による健康影響に関する文献からは、リンパ球数減少のしきい値は250mGy程度から500~600mGy程度の間にあると考えられるが、免疫機能の低下を確実に予防するという観点から、原発事故時に250mSvを緊急被曝限度として採用したのは保守的ではあるが妥当」と評価。今後、原子力緊急事態が発生した際には、250mSvを緊急被曝限度として定めるとした。
厚労省は今後パブリックコメントを募集した後、関係省令を改正し、今秋に公布する方針。