日本医師会と日本医学会は19日、『HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き』を公表した。
2013年6月以降、HPVワクチンの積極的な接種勧奨の差し控えが続いていることを踏まえ、両団体が設けた編集会議が約半年間にわたって議論を重ね、作成した。
診断に当たっては、侵害受容性の痛みと神経障害性の痛みの2つの可能性を考慮して鑑別するよう記載。厚労省有識者検討会の見解で用いられた「心因」という表現は、詐病的との誤解を招くことから、使わないよう求めている。
診察のポイントとして「診察ごとに理学所見を必ず確認する」「初診時にCOT、COLLを計測する」などと列挙。治療方法は痛みなどへの対症療法と、リハビリテーションを紹介している。
19日の会見で日本医学会の高久史麿会長は、ワクチンの積極的接種勧奨差し控えが長引くことで将来、日本だけが子宮頸がんの罹患率が増加する状況にならないようにすべきとの考えを示した。