厚生労働省の厚生科学審議会感染症部会は18日、国と都道府県が新型インフルエンザ対策として備蓄する薬剤を、現行の2剤から5剤に増やす方針を了承した。
現在、政府の行動計画に基づき備蓄しているカプセル錠のタミフルと吸入薬のリレンザの2剤に、タミフルドライシロップ、静注薬のラピアクタ、吸入薬のイナビルの3剤を加える。
脱カプセル後のタミフル粉末は苦味が強く小児にとって飲みにくい上に、パンデミック時の混乱で薬局が脱カプセルでの対応ができない恐れがあるため、タミフルドライシロップを優先的に備蓄する。ラピアクタは、入院患者や重症患者など自力での服用が困難な症例を想定して備蓄する。
タミフルとリレンザはすべて海外からの輸入に頼っているが、ラピアクタとイナビルは国内製造体制が整っている。備蓄薬剤の投与経路と調達先を多様化することでパンデミック時の安定供給を図る。
薬剤の具体的な備蓄量は今後、内閣府の有識者会議で検討する。