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7対1病床のさらなる適正化巡り攻防 - 支払側「時代の変化に追いつかない」 [どうなる?診療報酬改定]

No.4774 (2015年10月24日発行) P.7

登録日: 2015-10-24

最終更新日: 2016-11-24

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(概要) 7対1病床の削減を巡り、診療側と支払側の意見が対立した。1万6000床減少という結果について、診療側は「大転換」、支払側は「時代の変化に追いつかない」とした。

2016年度の次期診療報酬改定に向け、7対1入院基本料算定病床の適正化を巡る攻防が激化してきた。14日に開かれた中央社会保険医療協議会総会(田辺国昭会長)では、入院医療の機能分化の推進をテーマに議論。2014年度改定では、7対1病床の算定要件が厳格化されたが、改定による影響の解釈を巡り、診療側と支払側の意見が対立した。

●厚労省「依然としてすべての種別で最も多い」
争点となったのは、7対1病床の届出数などの評価について。厚労省が示したデータによると、7対1病床は前回改定が行われた直前、14年3月の38万400床をピークに減少に転じ、15年4月には約1万6500床減の36万3900床となっている。
これを受け、厚労省は「依然としてすべての種別の中で最も多い」とした上で、入院患者数や病床利用率の傾向にも「大きな変化は見られなかった」と指摘。
同日の会合で示された7対1病床の調査結果について、支払側の白川修二委員(健保連)は、「全体的に(入院患者数や平均在院日数などが)減っているのは事実だが、単価は増えており医療機関の経営は安定しているのではないか。前回改定時はソフトランディングするための点数設定とした。現状の減少ペースでは、時代の変化に追いつかない」と指摘した。
一方、診療側はこの意見に反発し、中川俊男委員(日医)が、7対1病床の推移について「(06年の)導入以来増え続けてきた7対1が初めて減少に転じた。これは大転換。病床稼働率が低下しており、実際(の病床数)は8掛けと考えた方がいい」と強調。機能分化は確実に進んでいるとし、「これ以上の要件厳格化は受け入れられない」と訴えた。
7対1病床を巡っては、間もなく報告される医療経済実態調査の速報値がカギとなりそうだ。中川委員が指摘するように「医療機関の経営努力で何とか維持している」状態かどうかが争点の1つとなる。

●在宅復帰率の計算式の妥当性に疑問
このほか、白川委員は機能分化を図るための各評価指標についても見直しを求めた。中でも、75%以上が基準とされた7対1病床の在宅復帰率が、平均92%だったことについて「病院内の転棟が多いのでは」と指摘。計算式の妥当性に疑問があるとした。これを受け、中川委員は「前回改定で議論を尽くしてこの計算式で合意した。もう少し様子を見るべきではないか」と反論した。
入院医療についてはこのほか、中医協の入院医療等の調査・評価分科会が15日に意見の取りまとめを行い、7対1病床をはじめとする一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」の見直しを求めた。今後、中医協でも急性期に見合った患者像を表す指標のあり方を巡り、検討が行われることになる。

【記者の眼】現段階の材料では7対1を巡る議論は平行線だろう。しかし病院団体からは14年度改定の締めつけで、急性期の病院の経営状態はかなり厳しいとの声も聞こえる。そうした実感が医療経済実態調査の結果にどう反映されるか、注目が集まるところだ。(T)

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