厚生労働省の「一類感染症に関する検討会」は20日、エボラ出血熱の国内発生に備え、行政対応の手引き策定に向けた議論を開始した。最も危険度が高い一類感染症のうち、痘そうとペストを除くウイルス性出血熱が対象。行政と医療機関の連携などについて検討し、今年度内にとりまとめる。
同日の会合では、大曲貴夫構成員(国立国際医療研究センター病院)が、昨年から今年にかけて同病院で受け入れた4人のエボラ出血熱疑似症への対応を総括。「自治体、検疫所、保健所と連携し、検体・患者の移送ルート、本人・家族への説明などについて事前に打ち合わせたことが円滑な収容・診断につながった」とする一方で、「疑似症でもスタッフの負担は非常に重かった」とし、今後の課題に「マンパワーとリソースの確保」を挙げた。
小森貴構成員(日医)は、「疑似症患者が近医を受診する可能性はゼロではない。指定医療機関だけでなく一般医療機関向けの事例集も必要だ」と指摘した。