厚生労働省の厚生科学審議会結核部会は22日、『結核に関する特定感染症予防指針』の見直しに向けた議論を開始した。BCGについて、定期接種の中止を含めた見直しに向け検討を始める方針を了承した。
新たな小児の結核患者は現在、年間100例未満となっている。海外では、BCGの接種対象を高まん延国出身者や家族に医療従事者がいる児などのハイリスク者に限定している国もある。厚労省は将来の低まん延状態を見据え、BCGの定期接種中止や選択的な接種の導入を検討するのに必要な研究の推進を指針に盛り込むことを提案。委員は概ね賛意を示した。
徳永修委員(南京都病院)は「日本でのハイリスク者をどう定義するかが難しい課題」と指摘し、定期接種を中止すると一時的に罹患者が増加することから、診療体制を整備する重要性を強調した。
厚労省は同部会の結論に基づき今夏をメドに指針を改正する予定。