京大iPS細胞研究所(CiRA)所長を務める山中伸弥氏は1月25日、都内で開かれた日本医療研究開発機構(AMED)のシンポジウムに登壇し、再生医療用iPS細胞ストック構築を中心に研究の進捗状況について講演した。
冒頭で山中氏は、iPS細胞について初めて発表してから今年1月でちょうど10年になることを紹介。「論文にまとめる前にカナダの学会で発表した時のことをはっきりと覚えている」と語った。
2010年に設立されたCiRAは、2020年までの目標として、(1)基盤技術の確立・知財確保、(2)再生医療用iPS細胞ストック構築、(3)再生医療の臨床試験を開始─などを掲げている。
(2)については、日本で最も頻度の高いHLA型を持つドナーからiPS細胞ストックを作製し、昨年8月から提供を開始したことを報告。「2022年度までに日本人の大半をカバーするiPS細胞ストックの構築を目指す」と述べた。