日本医師会は2月21日、東京都江東区のキッザニア東京に出展している「診療所」パビリオン(3月13日までの期間限定出展)に関するプレス取材会を開催した。パビリオンでは3~15歳の子供たちが、診療所で働く小児科医として、乳児健診と予防接種を体験できる。
取材会は、校外実習で同施設を訪れた大田区立入新井第四小学校の6年生4名が小児科医となり、医師が研修で使用する人形や注射器、腕の模型を使い乳児検診と予防接種を体験した。
乳児検診では小児科医による研修を受けたスタッフの指導のもと、児童2人が小児科医として、生後6カ月の乳児健診を行う想定で、①大泉門、②呼吸音、③心音、④股関節の動き―を確認した。
予防接種では医師役と保護者役に分かれ、医師役の児童が問診を行った上で薬剤の代わりに水を入れた注射器を使い、模擬皮膚に接種を行った。
体験した児童らは「注射器の持ち方や刺しすぎないようにするのが難しかった」「注射器の種類が2種類あることを初めて知った」「聴診器を当てる部位が呼吸音と心音で違うことを知った」「模擬皮膚を触った感じが本物の人間の皮膚とそっくりで驚いた」などの感想を口にした。
日医の松本会長は小児科医を選んだ狙いについて、子どもたちにとって1番身近で親しみやすい診療科である点を挙げ、「小児科医を体験してもらうことにより、病気だけ診るのではなく、予防や見守るということについても併せて知ってほしい。このパビリオンを通して、医師を含めた医療関係者の尽力があって世の中が動いているという社会の仕組みを理解してもらう必要があると考え、社会貢献のためにパビリオンを出展した」と述べた。日医がキッザニアにパビリオンを出展するのは昨年に続き2回目。