厚生労働省の「特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会」(永井良三座長)は10日、肥満を第一基準に保健指導対象者を選定する現行の特定健診の流れを改めることで一致した。腹囲基準値(男性85cm以上、女性90cm以上)を満たさなくても心血管疾患リスクのある非肥満者への保健指導を強化する。2018年度の施行を目指す。
前回までの会合では、腹囲が基準値未満でも血圧高値、脂質異常、耐糖能異常などのみられる者は、そうでない者に比べて、心血管疾患リスクが男女とも約2倍になるとのデータが示されてきた。これを踏まえ、永井座長は同日の会合で、新たな保健指導対象者のスクリーニングの流れ(図)を提示、委員の賛同を得た。
新たな流れでは、腹囲は保健指導の介入方法を選択する基準として位置づける。心血管疾患リスクがあり、かつ腹囲基準値を上回る者には、減量を中心とした指導を実施。基準値未満の者には非肥満者向けの指導を実施する。具体的な指導内容は今秋以降に決まる見通し。