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職域検診のがん検診受診率を初めて公表 [厚生労働省]

No.4804 (2016年05月21日発行) P.11

登録日: 2016-05-21

最終更新日: 2016-12-01

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厚生労働省が初めて職域検診のがん検診受診率を調査し、12日の「がん検診のあり方に関する検討会」に報告した(図)。被保険者の受診率は胃がん、肺がん、大腸がん、肝がんで国の目標値5割を超えるなど、市町村など他の検診受診率の調査結果よりも全体的に高い割合を示した。調査は、2015年12月~16年1月に1406健康保険組合に実施。1238組合(88.1%)が回答した。
精検受診率は被保険者、被扶養者の順で胃がん44.2%・67.0%、肺がん45.1%・73.1%、大腸がん45.2%・56.6%、子宮頸がん64.9%・72.6%、乳がん69.5%・77.9%、前立腺がん79.1%・50.0%、肝がん82.9%・39.3%、甲状腺がん73.8%・79.4%で、被扶養者の方が高い傾向がみられた。
国は今年度から市町村の胃がん検診に内視鏡検査を推奨するが、胃がん検診で内視鏡検査を行う組合は被保険者65.4%、被扶養者55.3%に上った。
なお、これまでに公表されたがん検診受診率は、市町村が実施する住民検診と、職域検診、人間ドック等を含めて受診の有無を調査対象者に聞く国民生活基礎調査の2種類ある。2013年国民生活基礎調査によるがん検診受診率は男女の順に胃がん45.8%・33.8%、肺がん47.5%・37.4%、大腸がん41.4%・34.5%、子宮頸がん32.7%、乳がん34.2%だった。


【記者の眼】
調査対象となった健保組合は主に大企業の従業員とその家族が加入している。主に中小企業の従業員とその家族が加入する協会けんぽに対しても厚労省は同様の調査を依頼中で、次回会合の参加も要請しているという。(N)

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