厚生労働省の厚生科学審議会予防接種基本方針部会は11日、沈降10価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV10)について、小児への定期接種ワクチンには導入しないとの結論をとりまとめた。
小児の侵襲性肺炎球菌の定期接種ワクチンには現在、13価ワクチン(PCV13)が使用されているが、昨年3月にPCV10の製造販売が承認されたことから、厚労省の小委員会で定期接種での使用を視野に入れ、有効性、安全性、費用対効果などのデータを収集することとなった。
しかし、PCV10はPCV13と比較して含有される血清型が少なく、有効性が若干劣る可能性が否定できないなどとして、国立感染症研究所は今年1月に「広く接種を促進することには慎重な判断が必要」との評価を示した。
これを踏まえ、同日の会合では、多くの委員が「定期接種ワクチンへの追加は妥当とは言えない」と指摘。部会として「定期接種には使用しない」との見解で一致した。