日本臨床腫瘍学会は13日、小野薬品工業のニボルマブ(商品名オプジーボ)などの免疫チェックポイント阻害剤の不適切な投与事例を受け、要件を満たす施設・医師の下で適切な投与を受けるよう、注意喚起の声明を発表した。
小野薬品によると、オプジーボの推定使用患者数は6月30日現在で8077人(悪性黒色腫1556人、非小細胞肺癌6521人)で、副作用報告数は3805件。約10%で間質性肺疾患、劇症Ⅰ型糖尿病、重症筋無力症などが発現し、死亡例の報告もある。同剤の投与には施設要件(表)が定められているが、要件を満たさない施設の医師が個人輸入した薬剤を、添付文書とは異なる用法・用量で適応外の疾患に投与し、副作用に適切な対応がとれない事例も報告されていた。
小野薬品によると、同剤と癌免疫療法の併用療法(有効性・安全性が未確立)で重篤な副作用を発現した症例が6例、うち死亡例が1例報告されているほか、同剤投与後に上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)を使用した症例で間質性肺疾患が7例発生、うち3例は死亡に至っている。