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再び准看護師の議論を [お茶の水だより]

No.4799 (2016年04月16日発行) P.13

登録日: 2016-04-16

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▼日本医師会、四病院団体協議会の支援の下、「日本准看護師連絡協議会」(准看協)が昨年11月に発足した。准看協の設立支援を日医・四病協の中で中心的に進めたのが日本精神科病院協会だ。本誌は4月2日号の「まとめてみました」欄で、日精協の林道彦常務理事のインタビューを掲載した。林氏は准看護師が教育を受ける場がないことを指摘し、生涯教育体制構築の必要性を強調している。
▼一方、日本看護協会は一貫して「准看護師養成を看護師養成に一本化すべき」と主張。准看護師の話題を取り上げた広報誌「協会ニュース」2015年2月15日号では、全国の准看護師学校養成所数を都道府県別に示した地図を掲載し、前年度より養成所が5校減少したことを紹介している。
▼准看護師制度を巡る議論が国で行われたのは、約20年前まで遡る。厚生省(当時)の「准看護婦問題調査検討会」の報告書は、「21世紀初頭の早い段階を目途に、看護婦養成制度の統合に努める」と提言。同報告書は養成停止を認めたものとも、養成継続を当面認めたものとも受けとれる内容だ。
▼准看護師の就業場所は14年現在、病院40.7%、診療所35.7%、介護施設等21.1%で、正看護師に比べ診療所や介護施設等の占める割合が高いのが特徴だ。地域によっては診療所・介護施設等の割合はさらに高くなるだろう。林氏は「病院の慢性期や介護施設を支えているのが准看護師」と訴える。
▼厚生労働省は団塊の世代が後期高齢者になる2025年には、正看護師・准看護師等が計約3万~13万人不足すると推計している。2025年に向けた医療・介護提供体制の構築が求められる現在、その中に准看護師を現実的にどう位置づけるか、再び議論が必要な時期に来ているのではないか。

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