日本医師会の医療関係者検討委員会(委員長=近藤稔大分県医師会長)は、医療の安全を確保した上でタスク・シフティングを実施すべきとの内容を盛り込んだ報告書をまとめた。日医が28日に開いた会見で明らかにした。
報告書では看護師の特定行為の実施について、「医師によるメディカルコントロールがなければ成り立たない『診療の補助』」と強調。「医師の働き方改革や効率性に視点を置きすぎたタスク・シフティングは医療の安全を損ねかねない」と問題視し、新たな特定行為の追加については慎重な議論が必要だとした。また、特定行為研修は、2025年に向けて在宅医療を支える看護師の養成を目的に創設されたものだと強調。制度が始まって間もなく検証が不十分であることからも、「高度な医行為を特定行為に積極的に追加すべきではない」との考えを示した。