【Q】
総頸動脈分岐など比較的浅い部位にプラークが存在する場合,手などで触ることでプラークの破綻を誘発する可能性はないか。また,血栓が剥離する可能性はないか。 (宮城県 O)【A】
破綻をきたしやすい不安定プラークは脂質含有量が多く,線維性被膜が薄く,炎症性細胞の浸潤が強いという性質がある(文献1)。頸動脈での不安定プラークにはさらに可動性プラークがあり,脳卒中発症と関連があるとされている(文献2)。このような可動性プラークが存在する頸動脈を強く圧迫すれば,可動性プラークがはがれて脳卒中を引き起こす可能性はある。血栓が存在する場合でも同様である。実際に頸動脈の用手圧迫により脳卒中を引き起こした症例が報告されている(文献3)。
1) 井上晃男, 他:The Lipid. 2014;25(2):129-37.
2) Ogata T, et al:Cerebrovasc Dis. 2010;30(6): 606-11.
3) Khaffaf N, et al:Stroke. 1994;25(5):1056-7.