【Q】
臨床症状から感染症を疑い経験的に広域感受性がある抗菌薬を投与する場合,投与した抗菌薬が臨床的に有効と考えられても,後日同定された起炎菌と感受性検査の結果からde-escalationを行うのが一般的ですが,造血器腫瘍の化学療法後,好中球減少時期の発熱性好中球減少症(febrile neutropenia:FN)にも,同様のde-escalationを行うべきでしょうか。好中球減少が高度で長期に継続すると予想されれば,起炎菌,感受性が判明しても臨床的に有効と考えられたbroad spectrumの抗菌薬は継続できますか。自治医科大学附属さいたま医療センター・神田善伸先生に。【A】
FN患者においては,一般の免疫力の保たれた患者における感染症とは異なる対応をすべきかと考えます。米国感染症学会の「好中球減少を呈する癌患者に対する抗微生物薬の使用に関する実践的臨床ガイドライン」(通称,FNガイドライン)には,FN患者に対する広域抗菌薬による経験的治療後に感染症が同定された場合の対応に関する推奨が記載されています。