【Q】
わが国では第3世代セファロスポリン系の経口薬が外来診療で多く処方されています。しかし,外来診療においてはこれらの経口薬は不要であるとか,米国では使用されていないとも聞きます。実際のところはどうなのでしょうか。もし不要とすれば,代わりにどのようにすればよいでしょうか。東海大学・上田晃弘先生のご教示を。【A】
まず外来診療で第3世代セファロスポリンを使用しなければならない状況を考えてみます。第3世代セファロスポリンとペニシリンや第1,2世代セファロスポリンとの違いは,端的に言えばグラム陰性桿菌へのスペクトラムが広がっているということです。グラム陽性球菌の関与する感染症であればペニシリンや第1世代セファロスポリンがより有用です。外来で治療する感染症でグラム陰性桿菌によるものがあるとすれば,膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症でしょう。膀胱炎や腎盂腎炎で想定しなければならないグラム陰性桿菌と言えば大腸菌になります。