「夜尿症」は、5歳以上で月1回以上の夜尿が3カ月以上続く疾患。小中学生の罹病率は約6.4%、患者数は大人を含めて78万人と推計され、小児ではアレルギー疾患に次いで頻度の多い病気とされる。治療すれば治る病気だと知られていないこともあり、医療機関を受診している患者は推計約16万人、薬物治療を受けているのは約4万人とさらに少ない。日本夜尿症学会は6月、非専門医がエビデンスに基づいた治療に積極的に取り組めるように、『夜尿症診療ガイドライン』を12年ぶりに改定した。
新ガイドラインでは、総論で夜尿症の定義と分類について明記し、診断については、(1)病歴の詳細な問診、(2)身体診察、(3)尿検査を必須としている。夜尿の背景に、便秘症、遺糞症などの消化管の障害、膀胱機能障害、泌尿器系の器質的疾患があるようなら、それらの疾患の治療が必要となる。
病歴の詳細な問診にあたっては、表の①~⑥に留意する必要がある。夜尿症には一次性と二次性があり、夜尿が6カ月以上解消していた時期があった場合には、二次性夜尿と定義される。二次性夜尿には、両親の離婚、学校でのいじめなど、家庭生活や学校生活などの問題が生じている可能性が高く、精神的なサポートが不可欠だ。
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