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皮膚エリテマトーデスに対するヒドロキシクロロキンの効果 【局所治療が不十分な限局性病変,重症または広範囲に分布する病変への第一選択薬】

No.4826 (2016年10月22日発行) P.50

池田高治 (和歌山県立医科大学皮膚科講師)

登録日: 2016-10-21

最終更新日: 2016-10-21

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ヒドロキシクロロキン(HCQ)は,皮膚エリテマトーデス(CLE),全身性エリテマトーデス(SLE),関節リウマチなどの標準的な治療薬であり,わが国でもCLE,SLEに対して2015年に認可された。

CLEでは,局所治療が不十分な限局性病変,重症または広範囲に分布する病変に第一選択として推奨される。瘢痕性などの慢性病変は局所治療が適当でなく,早期投与を検討する。紅斑など急性病変が消失したあとは,残存する慢性病変への有効性を検討しつつ,維持投与を行うかを判断する。
SLEでは,皮膚症状・全身症状・筋骨格系症状などへの使用が推奨される。HCQを含めた抗マラリア薬のSLEへの効果は疾患活動性の低下にとどまらず,再発の予防,生存期間の延長,不可逆な臓器障害の防止,抗血栓症効果などの可能性を示す報告がある。

HCQの副作用で特筆すべき網膜毒性は,投与中止以外に有効な治療法がなく,中止後も進行しうる。そのため,眼科で投与前スクリーニングを行い,黄斑症や網膜症を禁忌とし,SLE網膜症およびその既往を慎重投与とする。理想体重に従った用量を遵守し,過量投与による網膜毒性の発症を避ける1)。網膜症の早期徴候を見出し中止するためには,年1回の眼科での検査が必須であり,累積投与量が200gを超える症例などでは,さらに頻回の検査が必須である。

【文献】

1) 古川福実, 他:日皮会誌. 2015;125(11):2049-60.

【解説】

池田高治 和歌山県立医科大学皮膚科講師

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